2024年1月14日

スマホが壊れた!

金曜日の朝、通勤の電車の中では、普通に使えていたのに、職場に着いてすぐに、突然画面が暗くなって、いつものようにボタンを押しても、暗いまま。再起動やいろいろやってみたけど、画面が明るくならないし、反応なし。どうしようと困惑する。

今日は、よりによって、仕事で外へ出かけることになっている。スマホが使えないと、Googleマップも使えないし、いろいろ調べたり、連絡取ったりもできないし、電話も使えない。困った困った。幸い、一緒に出かける職員のRさんがいるので、彼女に頼るしかない。悪いなあ、迷惑かけているなあと思いながらも、すっかり頼っている私と、スマホを使えない私を気遣ってくれるRさん。

仕事が終わって、帰る時には、まだ現実が受け止められなくて、これまで当たり前にできていたことが、急にできなくなったことに苛立ちや不安を感じたり、「(長く使っていたので)早めに新しいスマホに変えればよかったのかなあ」と後悔したり、「修理に出すにしても、新しいスマホを買うにしても、面倒くさいなあ」というため息が出たりしていた。

家に帰って、ニュースで石川県の被災者の方達の姿を見て、被災された方たちは、日常が突然断ち切られて、どれだけの不安を抱えているのだろう。私の不安はその100分の1くらいかもしれないと思った。

そして、この経験はきっと何か意味があるのかもしれないとも思い、考えてみた。なんで、こんなに落ち込んだり、不安になったり、苛立ったりするのだろう?

その日の夜と土曜日は予定があったので、予定通りに過ごすことにして、日曜日になんとかしようと思っていた。新しいスマホを買いに行くには日曜日しかないという焦りも感じていた。

落ち込みや不安や焦りを無理になくそうとしたりせずに、客観的に自分を感じてみた。気づいたのは、自分のいつものパターン。想定外のことや困ったことが起きると、いつものパターンがより強く出てくるのかもしれない。例えば、迷惑をかけたくない、もらったメッセージにはすぐに返事をしたい、きちんと仕事をしたいという気持ち。その奥にあるのは、いい人でいたい、認められたい、嫌われたくないという信じ込み。

土曜日は、会場までグーグルマップを頼りたいところだったけど、スマホがないので、駅員さんに会場までの道順を聞いたら、すごく親切に教えてくれて、地図までくれて、全然迷わずに行けて、駅員さんに感謝。家に帰れば、パソコンもタブレットもあるので、案外スマホがなくても大丈夫だった。

それでも諦めきれずに、もう一度充電してみたり、ネットで調べて画面が暗くなった時の対処法を何度か試してみたり、いろいろやってみたけど、やっぱりだめだった。

そして、日曜日の朝、パソコンでスマホについて調べている時に、焦っている自分を感じて、ふと「焦るのはやめよう!」と思った。「機種変更するのか、乗り換えをするのか、修理に出すのか、どの方法が一番いいのか、すぐには決められないし、焦っていいことはない。1週間や2週間、スマホがなくても大丈夫。ゆっくり考えよう。」と思えた。焦りや不安は消えていた。

「今日は、スマホのことを優先しないで、予定通りに過ごそう。」そう思って、午前中は、いつものジムへ運動しに行った。そして、そこで、店長さんに、スマホが壊れて電話が使えないので、どこか公衆電話があるところはないか、十円玉に両替してもらえないかと聞いてみた。

すると、その店長さんは、「ちょっとスマホを見せて」と言って、10分くらい、いろいろ検索して調べながら、スマホを触っていたら、なんと再起動ができて、画面が明るくなった。壊れていたと思っていたけど、壊れていなかった!あれだけ何度やってもできなかったのが、簡単にできて、ほんとにびっくり。まるで魔法のようだった。感激して、何度もお礼を言う私と、一緒に喜んでくれる店長さんそして、原因まで教えてくれて、すっかり安心できた。

あのまま焦って、スマホのお店に行かなくてよかった。焦っていたり不安でいっぱいのときは、「何とかスマホを使えるようにしよう」とそのことで頭がいっぱいで、視野が狭くなっているのだなあと実感。ちょっと力を抜いてみると、周りが見えたり、大事なことに気づいたり、いいアイデアが浮かんだり。そして、今日のように、「今日中に何とかしたい」という思いを手放すと、私にとって魔法のようなことも起きる。

店長さんに「まだもう少し使えそうだよ」と言ってもらったので、大事に今のスマホを使いながら、ゆっくり次の買い替えの準備をしよう。

せつこ